V.A.〝ピエロとスイカと88(ややうけ)ライダー ニューロティカ トリビュート〟

・タイトル→『ピエロとスイカと88(ややうけ)ライダー ニューロティカ トリビュート』
・発売日→2010年11月10日
・フォーマット→CD
・レーベル→King Record Co.
・品番→KICS.1624
・定価→¥3,000(tax in)

トラックリスト
1. 青いお空に/フラワーカンパニーズ
2. ...to be HARLEM/TV MURDERS(カジヒデキ,ヒダカトオル,アヒト・イナザワ,堂島孝平)
3. 雲を追いかけて/GLORY HILL
4. 飾らないままに/LUNKHEAD
5. ア・イ・キ・タ/RxRxHx(TADANOBU,YJ,MICK,KOZO)
6. ロックンロールクレイジーラン/暴動(グループ魂)&ニューロティカ
7. 新宿ナナ/MERRY
8. ラッキーライフ/CUBISMO GRAFICO FIVE
9. HOLD IN LOVE(赤い雨につつまれて)/ROTTENGRAFFTY
10. 太陽をさがして/milktub
11. WHISKEy ROCK/怒髪天
12. DRINKIN' BOYS/DJ OZMA
13. 俺達いつでもロックバカ!/武藤昭平withウエノコウジ
↓帯
↓帯裏
↓インナーフライヤー
☆解説☆
 ニューロティカ26周年&機材車8台目誕生記念のスペシャル・トリビュートアルバム。
ニューロティカのトリビュートアルバムは2枚目。

7.新宿ナナ
(作詞:ATSUSHI/作曲:KATARU)
 〝新宿ナナ〟は、2009年4月26日発売の12枚目のアルバム〝ライブハウスモンスター 〟に収録されている。
↓のちにリリースされるMERRYのメジャー6thアルバム『NOnsenSe MARkeT』(2014年12月24日発売)収録の〝千代田線デモクラシー〟ではあっちゃんがPVで参加している。
↓〝Rooftop〟の対談より転載

—-お2人はいつ頃出会ったんですか?
ガラ:僕は、ニューロティカっていうバンドはもちろん知ってましたし、CDも聴いてたんですよ。今、僕らのマネージャーをやってる西尾さんが、昔ロリータ18号のマネージャーをやっていて、LOFTで開催された死ね死ね団の主催のイベントに呼ばれた時にロリータ18号も一緒で、ニューロティカも出ていて、それが初めてですね。
アツシ:あっ、ロリータ18号も出てたんだ? 覚えてないなぁ。
——その時の印象はどんな感じだったんですか?
ガラ:いやもう、大先輩ばっかりの中で僕らはライヴだったんで。もちろん打ち上げもあって、「俺たちいつでもロックバカ!」ってあっちゃんたちが終わりのないイッキをしてて。
アツシ:一番ブームの時だね(笑)。波に乗ってる初々しい時ですね。
ガラ:2003年とか、そんぐらいだと思うんですよ。
——その時はお互いにお話ししたりとかはなかったんですか?
アツシ:いや〜。僕は、ケムール星人(Gt)に「ライヴに出て」って誘われてたんだけど、「売れてるバンドと一緒じゃないとヤダ!」ってずっと言ってたら、この時に呼ばれたんですよ。
一同:(笑)
アツシ:ガラくんは、何で中卒(Vo)とかケムール星人とか知ってるの?
ガラ:どこで知り合ったとかがちょっと覚えてないんですけど、ケムール星人さんから「ライヴどう?」ってよく電話が来てたのを覚えてますね。多分、死ね死ね団とも何かのイベントで会って、「君たち面白いね」っていう感じで、よく誘われて。
アツシ:昔は死ね死ね団はパンク系だったから。僕らはその中でいつもライヴに誘われてたんだけど、ずっと断ってて。「売れてるバンドが出るから」って言われて、「じゃあ、それ出る!」って、それがきっかけです。すみません(笑)。
ガラ:僕らもいろんな人と対バンしたいっていうのがあったんで、「ニューロティカとかも出るよ」って言われて、「じゃあ、やります」って感じだったと思うんですけどね。その日のライヴがどうだったかって言うよりも、打ち上げがひどかったなっていうイメージしかないです(笑)。いろんな人が来て、その日のライヴに出てる人なのか出てない人なのか、もうよく分かんない状態でした(笑)。
——後に2人が交流を持つようになったきっかけは何だったんですか?
アツシ:西尾くんの紹介じゃないかな。
西尾:はい。ここ10年とかですよね?
アツシ:野音(日比谷野外音楽堂)を観に行ったんじゃないかな。
ガラ:はい。2007年か2008年ぐらいの野音も観に来てくれました。あと西尾さんが間に入ってくれて、ライヴを観に来てくれたり、観に行ったりとか、そういう関係が始まりましたね。でも西尾さんという共通のつながりの人がいましたけど、それから全然対バンしてないんで。
アツシ:それ以来だね。
ガラ:はい。『新宿ナナ』(2010年に発売された、13組のアーティストがニューロティカの曲をカバーしたトリビュート・アルバムの中の1曲)も僕らカバーさせてもらいましたし、いつかいつかと思って、ようやくこの時が来ましたね。
アツシ:ありがとうございます! このツアーの対バンはメンバー・チョイスなの?
ガラ:はい、そうです。メンバーが今一緒にやりたい人だったり、刺激をくれる人っていう感じで声掛けさせてもらっていったんです。初日はLOFTってことで、これはニューロティカしかいないんじゃないかって。
アツシ:ニューロティカとARBしかいないよね! それでウチを選んでくれたってことで。
一同:(笑)
ガラ:ずっとやれてこなかったので、このタイミングかなって。是非初日にガツっとLOFTからお願いしたいなと。
西尾:本当は去年、なんかしたいねって話をずっとメンバーでしてたんですよね。
ガラ:そうなんですよ。ちょうど去年はニューロティカの30周年とかもあって、何か絡みたかったなって言いながらも絡めなかったんです。ライヴはO-EASTとか観に行かさせてもらってたんですけど。いろいろつながってきて、ライヴをお願いしていい返事をもらえて。それから僕ら、去年出したアルバムの中の『千代田線デモクラシー』っていう曲のPVを新たに撮ったんですけど、そこにもキーになる役としてあっちゃんに出てもらったんですよ。
アツシ:「ただ(ガラくんと)すれ違うだけだよ」って言われてたのに、監督に凄い指示されて、「え〜、ちょっと待ってよ! 俺そんなに!? えー、マジマジ!!」って、ちょっとびっくりした(笑)。
ガラ:PVに出ていただいて、いろいろと「あ〜、つながったな」って思いながら。
——そんな中で知り合ってまもない頃のお互いの印象はどういう感じだったんですか?
アツシ:それはもう“礼儀正しい青年だな”と。パンクから言われるより、別のジャンルからニューロティカ好きだって言われるとすごい嬉しいよね。ヴィジュアル系って言ったら失礼ですけど、西尾くんに「ニューロティカが好きなヴィジュアル系のバンドがいるんだよ」って聞いた時は嬉しくて、「じゃあライヴを観に行こうよ」ってずっと言ってた。
——西尾さん、すごいキーマンになってますね。
西尾:ね! いいことしてる!(笑)。
——ガラさんはどうですか?
ガラ:もう僕らが中学生ぐらいの頃からニューロティカは活動してましたし、いつでもすごいライヴをされますし、昔からあっちゃんもそうですけど、ニューロティカも知ってたんで。
アツシ:いつがきっかけだったの?
ガラ:デビューした時ぐらいから聴いてると思います。『ア・イ・キ・タ』でしたっけ?
アツシ:うん、そう。デビュー当時のCDとか、機械とかいじってないからこそばゆくてさ(笑)。ほんとに恥ずかしい。
ガラ:いやいや(笑)。ジャンルを問わず聴いていた中でも、ニューロティカってほんとにゴリゴリなバンドともやってましたし、ハード・コアともやってましたし、いろんなジャンルにいるバンドで、ノン・ジャンルですげーなって思ってました。
——なかなかノン・ジャンルで出来るバンドさんっていないですもんね。
ガラ:いないと思うんですよ! で、どこからも愛されてますし。でもいつも西尾さんに言っていたのは「絶対キレたら怖い、怒らせたら怖い」って。
一同:(笑)
アツシ:(笑)でもその前に泥酔で倒れてるよ。
ガラ:(笑)いやいやいや。でも怒ったところを見たことがないんですよね。どんなに荒れた場所でもあっちゃんがいると和やかなムードになるっていうのは話に聞いてて、「あっ、そうだな〜」って思いました。
——そうですね。アツシさん、最近キレたことってあります?
アツシ:最近はないんじゃないかな。
——最後にキレたのはいつですか?
アツシ:…ないんじゃないかな、別に。
一同:(笑)
アツシ:前にジュンスカ(JUN SKY WALKER(S))の小林雅之(Dr)にも「あっちゃん、ほんと怒ったことないね」って言われたな。この間、まーちゃん(ロリータ18号のVo.石坂マサヨ)と同じことを話してた時に、僕がね、怒ってる暇がない、怒るパワーがあったらどっか違うところで使ってるってまーちゃんが言ってた。そんなところに力を入れるんだったら、そういうことはスルーして違う楽しいこととか見つける方がっていうタイプの人間だって。…って言うのと同じような考え方がこの間あったね。サッカーのカズ(三浦知良)が、張本氏(野球評論家)に言われた…。
西尾:あ〜、ありましたね。「もう辞めた方がいいんじゃないの」っていうようなことを何かの番組で言われたらしいんですよね。そうしたら「逆にありがたいです。やれって言ってるようなことですよね」って。すごいなって思って。
一同:おぉー!!
アツシ:これ、ちょっと奴は僕に似てるなって思って。
一同:(笑)
ガラ:ほんとに、こうやって聴いてた人と一緒に対バンできるっていうのは、すごく嬉しいですし。僕らみたいなバンドっていう言い方もおかしいですけど、僕らにもめちゃくちゃよくしてくれますからね。ライヴを観に来てくれたり、挨拶をしたらちゃんとお話もしてくれますし、逆にむちゃくちゃよくして頂いてますね。

——ではそんなお2人のヴォーカルを始めたきっかけをお聞きしたいです。
ガラ:いいですね。興味深いですね。
アツシ:僕から? ヴォーカルを始めたのは、高校3年生の時かな? 同級生の修豚がバンドをやってて、歌ってくれないかって言って、ARBのコピーバンドを始めたのがその時でしたね。
——ヴォーカルをお願いされたのは、みんなでカラオケとか行ったりしてたんですか?
アツシ:いや、人前で歌ったことないし。10人ぐらいでいつもARBとかANARCHYを観に行っていた仲なんだよね。修豚が軽音楽部に入っていることも知らずに。文化祭でやりたいから歌ってよって言われて、ARBは好きだからいいかなって感じでしたね。
——同じ高校だったんですか?
アツシ:そう。
ガラ:そこらへんは、映画『あっちゃん』を見て頂くと、全て分かるんで。
アツシ:あっ、そうだ、そうだ!
西尾:見てないのが、見え見えですよ(笑)。
ガラ:僕はもう試写会で見させて頂いたんで。
——あっ、ヤバい!! …すみません(笑)。
アツシ:いえいえ(笑)。そうです、その流れです、僕は。
——では、ガラさんは?
ガラ:僕は群馬県人なんで、BOØWYとBUCK-TICKを聴いて、LOFTという場所に憧れてバンドを始めたんです。でも僕、昔のLOFTって1回も立ったことがないんですよ。移転してからなんで、昔のLOFTに立ってみたかったなっていうのはありましたけど。
——いつからヴォーカルを始めたんですか?
ガラ:僕は、高校生を早めに卒業して…。で、やることがなくて「何をやろうかなぁ。あっ、バンドやろう!」って思って。
——その当時のバンド・メンバーはどうやって集まったんですか? メンバー募集とかですか?
ガラ:一緒に遊んでるような近所の友達と始めましたね。
アツシ:今、いるの? その近所の友達は。
ガラ:いやもう実家ですね。その子と一緒に出てきたんですけど、結局一緒にバンドはやらなかったんですよね。途中でX JAPANとTHE BLUE HEARTS派で分かれるんですよね。
アツシ:分かりやすいね(笑)。
ガラ:分かれるんですけど、THE BLUE HEARTSもやったり。でも僕はX JAPANとかちょっとぐらいしかコピーした記憶はないんですけど。黒夢とかいろいろコピーしてましたね。
アツシ:コピーバンドでどっかのライヴハウスでライヴしたりしたの?
ガラ:はい。地元にある喫茶店とまではいかないような所でライヴしたりしてましたね。
アツシ:ウチも一緒だよ。吉祥寺のシルバーエレファントとか曼荼羅を借りてARBのコピーバンドをやって。で、後輩が上がってきてコピーバンドやってって、そんなんばっかだったな、僕の時代は。
——でも、当時コピーをしていたバンドの方と今や知り合いっていうのはすごいですね。
アツシ:ねー、コピーしてたバンドの人と出会えるってすごいよね。出会ってんの? BOØWYとか?
ガラ:いえ全員は。高橋まことさん(Dr)だけ会わせて頂きました。
アツシ:まこっちゃんだけなんだー。
ガラ:BUCK-TICKのメンバーさんは会わせて頂いたりしたんですけど。当時、(西新宿の)LOFTで飲んでたら、BOØWYのメンバーさんとかに会うことはなかったんですか?
アツシ:BOØWYは…、ARBの打ち上げで布袋さん(Gt)を見たぐらいかな。まこっちゃんと布袋さんぐらいかな。ARBの打ち上げにもなるとすごいんだよ。まだ僕がお客さんの時代で、ARBの打ち上げの時にLOFTに飲みに行ったら、下の段で打ち上げしてて、上の段でお客さんが立ち飲みしてる感じだったんだけど、メンバーの所に布袋さんやまこっちゃんが来たり、茂さん(ANARCHY Vo.仲野茂)や池畑さん(THE ROOSTERS Dr.池畑潤二)が来たりしてて、「すっげーなー!」って見てたね。昔はね、ARBとかが打ち上げしてんのに、段の上で飲めてたよね。
——そうでしたよね。今は違いますもんね。
アツシ:今は、打ち上げのホールにはお客さんは入って来れないもんね。
西尾:SHELTERとかはまだそうじゃない? バータイム、やってますって感じでしょ?
——あっ、そうですね。
ガラ:僕らが初めてSHELTERでライヴをやった時もあっちゃんが観に来てくれて、打ち上げで椅子に座ろうとしてこけて、「尾てい骨、骨折したー!」って打ち上げ中、ずーっと言ってましたよね(笑)。
一同:(笑)
アツシ:あっ、あったね! あれってBALZACとじゃないの?
ガラ:あっ、そうです。そうやって僕らがライヴすると観に来てくれるんですよ。

アツシ:BALZACとはどういう繋がりなの?
ガラ:BALZACは、DIR EN GREYの川崎CLUB CITTA’でのライヴにHIROSUKEさん(Vo)も来ていて、そこで紹介してもらって挨拶して。でもめちゃくちゃ最初怖くて、電話番号をもらったんですけど電話出来ないなって。
アツシ:見た目怖いもんね(笑)。
ガラ:いや、ニューロティカも怖いですよ。やっぱり大先輩ですし、いろんな時代を知っているわけですから。今回のこのツアーも、ずっと内緒で西尾さんには「楽屋を別にしてくれ」って言ってたんですよ(笑)。
アツシ:いやいや、全然(笑)。
西尾:ここだけの話、あっちゃんは本番前はめっちゃピリピリしてますからね(笑)。
アツシ:いやいやいや、してない、してない(笑)。違う、違う、本番前に話しかけられるのが嫌なだけで。これから本番をやろうっていうのに、みんな「うぃ〜」って言ってさぁ(笑)。
西尾:そういうところ、ガラと一緒なんですよ。
ガラ:一緒っす。僕、映画見させて頂いて、すごく共通する部分っていうか、いろいろ感じたんですよね。
アツシ:ライヴ前に入って来る奴って、絶対おかしいよね。気が知れないよね(笑)。
ガラ:僕もダメなんですよ。なるべく1人でいたかったりするんですよ。
アツシ:そうそうそう。そこで喋っちゃうとパワーが取られちゃうんじゃないかって気になっちゃうんだよね。
ガラ:昔からずっと変わらずそうなんですか?
アツシ:変わらず。だけど耐えてる部分もあるよ。「うるっせーな。ふざけんなよ」って(笑)。「煙草吸ってんなよ、俺の横で」って(笑)。
ガラ:ありますよね。こう(自分の世界に)入ってて、「ライヴどうしようかな」とかいろいろ考えて、精神を集中している時に、スタッフがバカ笑いしてたりするのが、もうすっごい嫌なんですよ、俺。
西尾:気を付けます。
一同:(笑)
アツシ:もうそれが石橋凌さん(ARBのVo)ならすごいよ。「なんしよーかー!!」って(笑)。そこで怒鳴っちゃうとライヴに影響しちゃうタイプなんだよ、僕は(笑)。
ガラ:ずっとステージに上がってて、いろんなバンドとも対バンしてて、映画もそうですけどいろんなことに挑戦してて「すげーなー」って思いますし、なかなか出来ることじゃないなって。
アツシ:そう言ってくれて有難いし、自分でもいろんなパイオニアだと思ってるんですけど、映画のために “クラウドファンディング”やったじゃないですか? CAMPFIREって言って、ご支援を募って、沢山お金を頂いて。いろんな人が俺に「どうやってやんの? あっちゃんが出来んなら俺も出来んだろ」って、流行っちゃって(笑)。ニューロティカが出来るなら俺も出来るだろって、すごく話題になって、みんな普通にやるようになっちゃってね。まっ、それでいいんですよね、ニューロティカは。
ガラ:でも、未だにすごい気を遣ってくれて。メールとかさしてもらってると、終われないんですよね。
——(笑)分かります!
ガラ:分かります? メールが来て、やっぱ大先輩だから返すと、また返信が来て…。
アツシ:そういう時って、どうすればいいんだろうね? 俺も返しちゃうんだよね。
——それは、アツシさんが先輩だから、止めた方がいいですよ(笑)。
アツシ:そっか、そっか。
ガラ:最近は、「返信要りません」って来るんですけど、それが「あっ、すみません」って(笑)。
アツシ:(笑)返信はいいかなって思って、「返信要りません」って。
——(笑)アツシさん、めちゃ丁寧ですね。
ガラ:そうなんですよ。選曲のポスターを撮った時も、わざわざ画像でくれて。
アツシ:ツアーとかさ、重なるんだよね。「あっ、来週来るんだ」って思って、MERRYのポスターにサインして、「よろしく」って(笑)。
——アツシさんの気遣いはすごいなって本当に思います。
ガラ:バンドもそうですし、周りの人たちも、人柄だろうなって思うんですよね。
アツシ:これがね、売れないバンドの原因だよね。もっとちょっと頭おかしい方がね、売れるんだよね(笑)。自分でも分かってるんだよね。もうちょっと破天荒だったら売れんだろうなって思いますね。
ガラ:僕も破天荒になりたいなって思いますね。僕もいろいろと細かいことが気になっちゃいますし。大体僕らが悩んでることって、ニューロティカやあっちゃんは通って来てるんだろうなって思いますしね。
アツシ:気付いてないだけかもしれない(笑)。よく言われるんだよ、気付いてないって。
ガラ:この映画を見させていただいて、その時にあっちゃんに聞いたと思うんですけど、1回ニューロティカがメイクを落とした時期があって、「あの時、どうしたんですか?」って聞いて、バンドで一皮向けるためにとか、いろいろ話してくれて。僕らヴィジュアル系もそうなんですよ。やっててメイクを落とすタイミングってやっぱあったりするんで、同じ道を通って来てるんだなって。
アツシ:いつ頃メイクは取ったの?
ガラ:多分メジャーいく時だったと思うんですよね。
アツシ:僕はね、「ピエロはこんなのはメイクじゃない」って言って取ったの。もっともっと、ハードな方に行こうって思って取ったら、全然お客さんがいなくなっちゃった(笑)。またピエロに戻ったら、お客さんも戻ってきたって感じかな。売れようとか格好つけようじゃなかったな。
ガラ:僕らはずっとやってきて、次にメジャーに行って羽ばたくために、こっからもっとどうしようっていう感じで化粧を落としてたんですよね。メジャー1発目はそのままだったかもしれないので、2発目ぐらいだったと思います。
——今は男性がお化粧しているのは普通な感じですけど、以前は違いましたもんね。
ガラ:けどもう、ニューロティカはあっちゃんがアイコンですからね。最近、フェスとかでいろんな対バンをさせてもらって思うんですけど、やっぱり自分たちの世界観とか色を持ってるバンドが残ってるし、長く続いていくんだろうなって。周りと一緒だったら、自分たちの存在意義はないし、そういうバンドが強いなって思いますね。
——ジャンルは違えども通ずるものがある2バンドっていう感じですかね?
アツシ:自分のバンドが好きだってことじゃないの、2人とも。僕はあんまり人のバンドは聴かないから(笑)。近頃は友達のバンドのぐらいしか聴かないね。
——憧れのミュージシャンっています?
アツシ:憧れっていうより、大好きっていうのはいるけど、憧れはいないかなぁ、別に。憧れることが面倒くさい(笑)。憧れだったら、売れてる役者の人かな。憧れのミュージシャンはいる?
ガラ:僕はもう、それこそ黒夢とかそうですね。音楽バブルっていうのを味わってみたかったですね。デビューしたら、ベンツ乗って、Mステ出てっていうイメージがあったんですけど、もう全然でしたからね。
アツシ:今の事務所にきてからメジャー・デビューしたの?
ガラ:その前です。
アツシ:前の事務所はどこだったの?
ガラ:その頃は自分たちでやってたんです。
アツシ:えっ、自分たちでメジャー・デビューしたの! すげーなー!!
ガラ:逆に僕もアホなんで、好きな時に好きなことをやってお金を全部使っちゃってたんで、全く残ってなかったんですよ。
アツシ:でも、自分たちでデビューってすごいね。
ガラ:いやいやいや、ちょうど時代もあったのかもしれないですね。
アツシ:そういう時代だったの?
ガラ:そうですね。逆に周りがみんな事務所に入っていて、僕らもMERRYの前にみんなそれぞれバンドをやってたんで、ある程度やり方が分かったっていいますか、CDも自分たちで出して好きなことをやろうよっていうバンドだったんで。
アツシ:事務所がなくてメジャーへ行ったバンドって、初めて聞いたな。
ガラ:逆に言うと、自分たちの好きなことが出来たんですけど、今が楽しいとかだけで先を長く見れなかったっていうのがありますよね。計画を立てれなかったのが、MERRYのいいところでもあり、悪いところでもあるのかなって。
アツシ:分かるな、それ。でもちょっと悔しいよね。
ガラ:今思えばですよ。何年か前の今の俺だったら、戻れたらこうするのになっていうことがいっぱいありますもん。
アツシ:ちょっと悔しいね。

——それぞれの歌舞伎町LOFTにまつわるエピソードを教えてください。
ガラ::LOFTのステージに上がってる回数って、ニューロティカが1番なんじゃないですか?
アツシ:1位でしょ?
——そうですね。
アツシ:歌舞伎町のLOFTにまつわるエピソードでしょ? …無いね。
ガラ:いや僕も、最初にワンマンしたいって言ったら断られたぐらいですね。
アツシ:へー! 事務所に入ってた時?
ガラ:自分たちでやってた時ですね。初ワンマンではないんですがMERRYを始めてちょっとして、ワンマンやりたいと思ってLOFTにワンマンしたいって言ったら、ヴィジュアル系ダメですって言われて、そこからずっと出ずにいて、ニューロティカとやった死ね死ね団の時が、すっごい久々に出たんですよ。
アツシ:へー! ヴィジュアルダメなんて言って、今はアイドルばっかりじゃんな、LOFTは(笑)。ロックの聖地じゃねーっつうの!
ガラ:(笑)そうやって遠ざかっていた時期もありましたね。
——ガラさん、最初のワンマンのお話の件はいろいろと誤解があるので、今度じっくりと…(苦笑)。
アツシ:そう言えばSHELTERも化粧がダメだって言われてた。よくヴィジュアル系のバンドに「あっちゃん、なんで出れてるんですか?」って言われてたもん。それこそラヴィアンローズに「SHELTERは化粧してるバンドが出れないんですけど、どうしたらいいんですか? なんであっちゃん出れてるんですか〜」ってよく言われてたなぁ。
ガラ:俺らも10年目とかですからね。つい最近ですもん、SHELTERに出れたのは。
アツシ:そっか、そっか。新宿LOFTが歌舞伎町に移転して、しょっぱながうちとPOTOSHOTのこけら落としだったの。店員が誰一人僕のこと分かってないんだもん。「ビールくれよ」って言ったら、「500円です」とか言って、「何言ってんだ、こいつ!」って。
——そのうちの一人でしたね、私。
一同:(笑)
ガラ:人も総入れ替えだったんですか?
——半々ぐらいですかね。表側に出ていたのが新しい店員だったと思います。
ガラ:僕は、昔(西新宿)のLOFTに立ったことはないんですけど、今のLOFTって魔物が棲んでいる感じはします。ロックの聖地なだけあって。
アツシ:ただあるのは、人が多いくせに勿体ないなぁって。地方とかってそんなに箱のスタッフっていないじゃん。あんなにいんのになんで手伝わないんだよって。それみんな思ってるでしょ? だってさ、地方とかに行くと1人2人でもすごい頑張るところとかあるのにさ、(LOFTは)こんなにいんのに手伝えよって(笑)。
ガラ:(笑)これはもう本音ですよ。バンドマンあるあるですよ。
西尾:あっちゃん、搬出しなきゃいけないから(笑)。
アツシ:(笑)そうそう、大変なんだよ〜。
——ほんとですか!? 結構手伝ってくれるって言われるんですけど、逆ですね(笑)。
アツシ:あっ、本当に?(笑)
西尾:最近はよくなった方だと思います。前はもう…(笑)。そういうところもあるから、基本的には手伝ってもらえないんだなっていう気ではいたかな。
——そうなんですね…。気を付けます!
ガラ:やっぱり魔物が棲んでるだけあって、LOFTでは、すげーいいライヴをしたっていう記憶があんまりないですもん。音的にもやっぱりタイトですし、選ばれし箱だと思いますね。
アツシ:自分は歌の歌い始めの時に、走って行ってモニターに乗る癖があって、LOFTに体が慣れちゃって、この間O-EASTでライヴがあった時にモニターに届かなくて、「あれっ」って(笑)。
西尾:ちょっとEASTの方がモニターも小さいし。

——EASTの方が横幅も2倍ぐらいありますしね。
アツシ:そうそう。間に合わなかったなぁ(笑)。
ガラ:その日も観させて頂いて、裏からステージの後ろを通って客席に行こうとしたら、三角形の白い布(天冠)を着けたあっちゃんがいて、「どうしよう」って思ったんですけど(笑)。
アツシ:棺桶で出てきたのよ。棺桶で出て、小峠くん(バイキング)が坊主をやって、蓋を開けると僕が三角巾をしてるんだけど、誰も見えないっていう、企画倒れだったね(笑)。
ガラ:いやでも、面白かったですよ〜。
——アツシさんの発想なんですか?
アツシ:いやうちは、みんなで考えてるね。
ガラ:攻めてますよ。ニューロティカはいつでも攻めてますね。
アツシ:それがね、ちょっとチープでね、もうちょっと練って完璧にしなきゃいけないって反省してるんですよ(笑)。
 
——歌舞伎町のLOFTのステージに初めて立った時の思い出とかってありますか?
アツシ:僕はPOTSHOTとのこけら落としで、その時はお客さんが9:1ぐらいの割合でPOTSHOTのお客さんばっかだったの。で、その後だったかな、POTSHOTのレーベルからCDを出すんで、ゲストじゃなくて、2マンのライヴをやろうってことになったんだけど、お客さんは9:1だったの。でもRYOJIくん(Vo)がギャラを半分くれたんですよ。まぁ、その時は有難うございますって言ったんだけど、上手くお礼を言えなかったんだよね。で、そのお礼を先月(2月)の“フライングポストマン”(フリーペーパー)の連載コーナーで、リレーで矢沢洋子ちゃんから僕に手紙がきて、僕がRYOJIくんに手紙を書いて伝えたんだよ。「初めてRYOJIくんには言うけど、あの時は本当に助かりました」って。その時にお礼は言えなかったのかな。「そんな要らないよ」って言いたかったけど、その時は実はお金がすごく欲しくて、新しいメンバーで始めたばっかの時で、そのお金で車を買えて、ツアーに行けたんですよ、実は。
ガラ:めちゃくちゃいい話ですね。
アツシ:そのお礼を誌面を使って言えて良かったなって。「こんな要らないよ」ってなんでか言えなかったんだよね…。でもあれは感謝してますね。上手く伝わってるか分からないけど、何年か振りにRYOJIくんに言葉じゃなくて手紙として出来たことは、すごい思い出ですね。
ガラ:いい話ですね〜。
——本当ですね。ガラさんは初めて立った時の記憶ってありますか?
ガラ:そんなにないんですよね。でも新宿LOFTに憧れて、昔黒夢が新宿LOFTでライヴ版のCD出してて、それに憧れて、このLOFTで僕らも映像と音を録ってライヴDVDを出しましたからね。それがすごく思い出になってますね。
 このバンド界を掻き回していきたい!
——5月10日の2マンの見所は?
ガラ:間違いなく、やっと本人の目の前で僕は『新宿ナナ』が唄えるってところです。カタルさん(Ba)にも会う度に「あれやってくれてありがとね」って言ってもらってて。トリビュートでカバーさせていただいた時に、割と『新宿ナナ』がリリースされて間もなかったんです。他にトリビュートに参加してる人も錚々たる面々なんで、どうしよう、どうしようって凄い悩んで、ようやく『新宿ナナ』に決めたんです。
アツシ:ありがとうございます。
——では、10日は『新宿ナナ』を生で聴ける、と。
ガラ:あっ、当日はニューロティカも(『新宿ナナ』を)やってくれるんですか?
アツシ:いや、ウチはやらないと思う。まだちょっと、いろいろ考えることがあるんで。
一同:(笑)
ガラ:もし良かったら、一緒に唄えたら最高ですね!
アツシ:あっ、それがね〜、あの歌難しいんですよ、実は(笑)。レコーディングは機械で何とかできるんですけど、まだライヴでは唄ったことがないというね(笑)。
——じゃあ、まだ生で唄ったことがないアツシさんが、ガラさんが唄ってる時に登場しちゃうかも!? と…。
アツシ:いや、無理無理無理!! マジマジマジ!! そこは、いち視聴者として観ていたいですね(笑)。嬉しいじゃないですか、自分の歌を、子どもを預けたような感じなんで。僕がしゃしゃり出ちゃったら、失礼に当たるんですよ。僕が作った子供たちを唄っていただくのを、温かい目で観たい。僕が出ちゃったら違う!
一同:(笑)
アツシ:難しくない? あの歌。
ガラ:難しいです。
アツシ:難しいよね!? どこで出ていいのか、肩を叩かれても分からないんだよ(笑)。
ガラ:メロディは歌もののメロなんですけど、割とテンポが速かったりするし、裏なんで、難しいですよね。
アツシ:もうね、裏と椎茸が一番嫌いだからね、僕は。
ガラ:(笑)僕も椎茸嫌いです。
アツシ:匂いで分かっちゃうからね(笑)。
ガラ:(笑)一番最初にニューロティカとやっていただいてツアーがスタートするんで、僕らも刺激をいただいて、ツアーを頑張っていきたいと思います。
アツシ:凄く嬉しいです。ちょっと無理しちゃおう! やっちゃったって感じぐらい無理するよ(笑)。でもそこで僕がつまづいちゃうと、大変なツアーになっちゃうよね。万博(氣志團万博)の時にトップで出て、SEをCD-Rで出してたら途中で1回切れちゃって(笑)。翔やん(氣志團Vo)が「音響のバカ野郎!」って凄い怒って。そしたら、CD-Rだったから止まっちゃったみたいで、ウチのただのミスで(笑)。で、万博の最後の花火が上がらなかったんだって。「ニューロティカがハリ飛ばしたから、最後もダメだった」って言われちゃった(笑)。
—じゃあ、10日は重大じゃないですか。
アツシ:重大、重大。でも僕、無理するよ(笑)。
ガラ:ここから2マン・ツアーの始まりなんで(笑)。
アツシ:無理しますんで、一番最初で。
一同:(笑)
ガラ:でも西尾さんも嬉しい1日になるんじゃないですか?
西尾:ちょっと怖いですね。現場に行かないっていう手もありますね(笑)。
——では最後に、今ツアーの全体の見所をお願いします。
ガラ:『NOnsenSe MARkeT』っていうアルバムを昨年末に出して、今、MERRYに刺激をくれるバンド、MERRYが一緒にやってみたいって思うバンドをいっぱい集めて、2マン・ツアーを全国でやっていきたいと思ってますので、是非皆さんお近くに行った際には観に来てもらえたらなと思います。今年はいっぱいライヴをやろうっていうのがテーマなんで、この2マン・ツアーは、いろんなジャンルを飛び越えて、ニューロティカじゃないですけど自分らで変にカテゴライズせずに、壁も作らず、いろんなところに飛び出ていって、自分たちでこのバンド界を掻き回していけたらいいなって思ってます。
アツシ:素晴らしい!
ガラ:その1バンド目が、ノンジャンルで唯一無二のニューロティカなんで、胸を借りるつもりで真正面からぶつかっていきたいと思います。
アツシ:無理します。ライヴも夜(打ち上げ)も(笑)。
——では当日も…。
西尾:あれ、ニューロティカの告知は?
アツシ:いや、別に。
ガラ:いやいや、映画とか。
アツシ:あっ、そうか! 映画(“あっちゃん”)がありますんで。みなさんのご支援を頂いて出来た映画で、みなさんが褒め過ぎて気持ち悪いんで、今、実は“裏あっちゃん”っていうのを創ってますんで、乞うご期待!
一同:(笑)
アツシ:出演者の皆さんとかに監督がインタビューで、あっちゃんに対して嫌なところを言ってくださいって言ってるらしいんですけど、まぁそんなことは普通言わないじゃないですか。だから自分でもこそばゆいドキュメンタリー映画になってまして、それを大幅に覆すような“裏あっちゃん”を今製作中ですので、そちらもカミング・スーン・ナウということで、よろしくお願い致します!
——(笑)いろいろ楽しみってことですね。
アツシ:いやでも光栄です、トップに呼ばれて。
ガラ:楽しみにしてます(笑)。よろしくお願いします!




2015年 5月10日@新宿LOFT
Grateful Year 2015〝NOnsenSe MARkeT 1F〟
MERRY/ニューロティカ
セットリスト
01.Station07
02.千代田線デモクラシー
03.不均衡キネマ
04.絶望
05.Zombie Paradise ~地獄の舞踏曲~
06.暗闇にピンク
07.Hide-and-seek
08.「東京」
09.オリエンタルBLサーカス
10.Midnight Shangrila
11.Carnival
12.梟
eocore1
01.NOnsenSe MARkeT
02.新宿ナナwithイノウエアツシ
encore2
01.T.O.P
02.Charlie
03.群青


2015年 6月09日@八王子RIPS
〝ドキュメンタリー映画「あっちゃん」ニュー八王子上映記念ロックバトルロイヤル〟
MERRY/ニューロティカ/LONESOME DOVE WOODROWS

MERRYセットリスト
01.千代田線デモクラシー
02.絶望
03.Zombie Paradise ~地獄の舞踏曲~
04.Hide-and-seek
05.不均衡キネマ
06.Midnight Shangrila
07.Carnival
08.T.O.P

 

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